しゃがん屋のおんちゃんたち

2014/04/06「ジャパン・フレンドシップ・アカデミー、登校始まる。」で紹介した左官職人の働きぶりを写真に撮った。
タイトルの「しゃがん屋」は、「左官屋」の山形の訛りである。
以前にも書いたようにタヌキオヤジの父親は大工職人であった。このため、自宅には家一軒を建てるのに必要な材料屋の営業マン、工事職人が常に出入りしていた。自宅の茶の間では、聖徳太子の現ナマが束で動いていた。
小さい頃から、父親の現場に出入りし、営業マンや職人たちとは顔見知りだった。
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ジャパン・フレンドシップ・アカデミーの校舎増築現場で働く、じゃがん屋のおんちゃんたちは、丁寧な仕事をしていた。
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屋上でモルタル(セメント、砂、水)を練って、モルタルを塗る場所に持って行く。足場の上には、練ったモルタルが入った鉄製の容器の他、セメントが置いてあった。モルタルの粘りをセメントを加えて調整してから、壁塗りしているようであった。
アロアシャ学園の左官職人たちは、薄めのモルタルを作り、大きな団子を作り、それを壁面に投げつけ、くっついた団子を金(かな)ごてで伸ばしていた。薄めのモルタルは作業しやすく、施工性が良い。
水セメント比という専門用語がある。水とセメントの割合でコンクリートやモルタルの強度が変わる。日本では、昔はバングラのように現場でコンクリート(セメント、砂利、砂、水)、モルタルを作っていたが、今は、レディーミクッスドつまりコンクリート工場での既製品を使う。
日本の場合、コンクリート工場から現場までの輸送にコンクリートミキサー車を使うが、夏の暑い時期になると、よく、問題になるのが、ミキサー車の中のコンクリートの濃度が高まり、運転手が勝手に水を加えて、工場出荷時の品質を落としてしまう。
工場出荷時は、JIS(日本工業規格)で定められているギリギリの配分(セメント、砂利、砂、水の割合)で出荷するのであるが、セメントは水と一緒になった時点で加水分解という化学反応が始まり、自ら熱を発するようになる。すると、水分が、どんどん飛んでいく。
水を加えれば加えるほど、コンクリートやモルタルの強度は、落ちる。暑い時期のコンクリートは、高熱を発し、急速に固まる。低い温度で、ゆっくり固めたコンクリートから比べると、とても、もろいコンクリートになるのである。
余談ばかりであるが、タヌキオヤジの近所で住宅の新築工事が行われているが、最初の基礎コンクリート打設時は、かなり暑かった。こんな時のコンクリート工事は最悪と言って過言ではないと思う。家の寿命に関わる大切な工事だと思うのだが、完成から逆算すると、こんな時期になったのであろう。
長い前置きになったしまったが、ここジャパン・フレンドシップ・アカデミーの左官職人さんたちは、セメントの量を多く調整して、堅めのモルタルを作り、丁寧に壁塗りしていた。工事に手間暇かけると最初は金がかかるが、建築物全体の強度が高まり、長い目で見ればお得なのである。
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相変わらず、バングラは竹の足場である。中国も高層ビルの工事でさえ、竹の足場を組んでいる。
先日、友人で職人S氏が愚痴っていた。
彼によると、会社の経営者は労災保険にも入れず、社員が仕事でケガをすると労働基準局の調査官が会社の安全管理を立ち入り検査し、ずさんだと、大目玉を食らう。保険料は全部会社持ち。社会保険料も半分は会社持ち。
経営者で職人のS氏には、普通の場合は保障が何もない。さらに、社員の給料を確保するために、業績が悪いと身銭を切らなければならない。
社員やその家族の生計を会社が守っている。友人S氏にしてみれば、多大なる社会貢献ではないかというのが彼の言い分である。
彼はNPO法人の理事をしている。NPO法人から比べると会社の方が社会での扱いが酷いと感じているのだろう。
確かに、NPO法人も収益事業をしない法人は、いずれ、経営が悪化し最悪解散の憂き目にあう。しかし、社会的には、NPO法人の収益事業に対しても、世間の目は甘くない。収益事業をしなければ、会社もNPOも回らなくなる。NPOの公益事業は補助金や助成金だけでは動かない。
日本人には、収益事業に対するコンプレックスがあるような気がする。「金儲け=悪」という概念が拭い去れない。行政もしかり。会社が儲けるための事業よりも、役所が税金を無駄にたくさん使う事業が優先という考え方が定着している。たくさん儲けてもらって、法人税をたくさん納めてもらう良いお客さんのはずである。日本人のコンプレックスが無くならない限り、真の好景気は訪れない。
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先日紹介した、お昼の弁当。子供たちはプラスチックの可愛い弁当箱。職人たちはステンレス製の大きな弁当箱。風呂敷包まれているのが、例の皿。
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あれから半年、工事はどこまで進んでいるだろう。

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