研究所職員の反乱

バイテク研究所の女子職員が、「誤って?」、ホルマリンを飲んだ。内覧会が行われ、見学者たちが研究所を出た後だった。
研究所は飲食禁止であるし、ホルマリンは刺激が強くて、顔の近くに持ってくることすらできない。
「誤って」飲むはずがないし、飲めるはずもない。
これには、背景があった。
昨年、ある奇妙な事件が起こった。
寒天培地の試験管ベビーたちが一向に育たなくなった。培地を取り替えても同じだった。仕方なく、ラッシャヒ大学やモンジュールさんの友達の研究所で育てると普通に育った。
モンジュールさんは原因を調べた。その結果、培地に成長を止める薬を混ぜている職員を突き止めた。それも、一人でなく、10人近い職員が、皆グルになって、研究妨害をしていることを突き止めた。
もちろん、クビである。
しかし、その中に、職員の母親に懇願されて、一人だけ残った女子職員がいた。その女子職員が、今回、ホルマリンを飲んだのである。
彼女を病院に連れていき、見てもらった。命に別状はないが、医師はダッカの病院に連れて行ったほうがいいかもしれないと言った。
彼女の母は、娘に何かあったら、警察に訴えると強く出た。モンジュールさんは青くなった。
モンジュールさんの温情を「忘れて」、いや、弱みに突け込んで、取るものを取りたかったに違いない。
昨年とは、職員の顔ぶれが違うことには気がついていた。ホルマリン誤飲事件がなければ、モンジュールさんから直接、昨年の真相は聞けなかったかもしれない。
モンジュールさんを裏切った職員が出てきた原因は何か?
それは、ベンガル人に多いジェラシーであると勝手に思う。モンジュールさんを贔屓目に見れば、様々な賞を総なめし、国からは多額の研究費を大学の研究にもらい、どんどん、有名になっていく。それを面白くない人もたくさんいるだろう。
モンジュールさんの歴史は、ジャラシーとの戦いの歴史でもある。
この20年近く、モンジュールさんに近づき、離れていった人間は多い。みんな、モンジュールさんから金を得ようとして、失敗して消え去っていった。
ジェラシーと金と地位と名誉は、今のバングラデシュを破壊している。
自分の工場を従業員みんなで、平気で焼いてしまったり、事故ったバスの運転手を半殺しにし、バスを焼く。
後先考えずに、研究所の職員が反乱を起こした。

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