アリ校長先生からのサイクロン被害報告

日本のみなさまへ

Eメールをくださったこと、そして、貴国のバングラデシュへの対応に大変感謝いたします。わが国はサイクロン「シドル」の致命的な被害を受け、現在人々は苦しんでおり、人道的な救いの手を求めている状況にあります。

わが国は二度にわたる洪水を経験し、これによる被害の大きさに大変なショックを受けております。今回、サイクロン「シドル」は海岸地域を直撃しました。実際に「シドル」による被害がどれだけに及ぶかについて正確に把握ができていませんが、政府や新聞メディア、ボランティアなどの情報を収集したところ、被災地域によって人々の持っている情報にばらつきがあることが分かり、被害の数字についてもそれぞれの見解に大きな開きがありました。本日付のインディペンデント紙によりますと、1,054,885世帯、4,083,568人がサイクロンに起因する行方不明者となっていると報じられています。

サイクロンの被災地では野外での生活を余儀なくされていますが、更に追い討ちをかけるように厳しい寒さとなっています。人々は悲嘆にくれており、「家も衣服もみんな失ってしまいました。どのようなことでも良いので、どうか皆さんの支援をお願いします。」とPatahrghataのMeher Aliさんが悲痛の声でインディペンデント紙の記者に訴えていました。

私の推測では死者が20,000人を超えると思います。行方不明者の捜索が進むにつれて、死者の数はどんどん増えています。「シドル」が直撃して以来行方不明になっていた漁師の人たちが昨日Dublar Charに無事戻ってきましたが、彼らの話によるとこのサイクロンで多くの仲間が命を落としたそうです。いったい何人の人が命をとりとめることができたか、正確に数えることはできなかったと話しています。暴風の直撃に遭った多くの人々はSundarbansのWest Bengal方面に取り残されたと漁師は話しています。
生存者は暴風の後、雇用を求めて深刻にさまよっています。「ここの人々は漁業で生計を立てていましたが、トロール漁の漁場の8割が破壊された今となってはそれに頼ることもできません。」

電力供給は壊滅的な状況にあり、多くの道路では通行不能となるなど状態は良くなく、また、必需物資に関してもほとんどの場所で不足している状態です。「多くの物資が供給されていないので、お金があっても買うことすらできません。」とBargunaのUnion Perishedのメンバー(現地代表)は話しています。

インディペンデント紙の記者がPatuakhaliから伝えたところ、このサイクロンの被害で2,000箇所以上の教育施設が崩壊し、およそ5億タカ相当の魚や家畜が喪失しました。これはわが国が10年以上ぶりに経験した大きな沿岸暴風被害となります。

ほとんどの教育機関が活動を停止せざるを得ない状況にある中、一部では青空教室で学校活動を継続しています。当局の推定によると、学校全体の被害総額はおよそ5億タカにもなります。

政府の統計によると、被害を受けた教育施設の内訳は、262箇所がPatuakhali sadar、322がBaufol upazila、149がDoshmina upazilaとのことです。

また、地元の家畜・漁業課の話によると、この災害による家畜被害はPatuakhali地区で少なく見積もっても13,083件にのぼる見込みです。

漁場の被害としては、Patuakhaliで4,200箇所、Kalaparaでは4,710、Baufolでは225、Dosminaでは4,200、Golachipaでは2,550、Mirzapurでは7,987箇所が流されてしまいました。内水漁場の被害ではPatuakhali sadarが840、Kalaparaでは1,016、Baufolでは75、Dosminaでは551、Golachipaでは2,025、Mirzapurでは4,037箇所が津波の被害で流されたと当局では伝えています。

当局主任アドバイザーのFakhruddin Ahmed博士は昨日、「政府は持っている資源を駆使してサイクロンからの復興に向けて最善を尽くしています。しかし、資源は限られていることから、政府としてもバングラデシュと友好関係にある国家や開発パートナーなどの支援を歓迎するとの立場を表明しています。」と話していました。

Fakhruddin氏によると、政府は支援物資を被災者に効果的に届ける体制を整え、第一次の復興を進めるとしています。

「それでも、物資が限られているため、友好関係にある国や開発パートナーなどの支援を歓迎します。」と述べており、政府は復興の初期活動を推進するための強い管理体制を既に構築し、被災者への救援物資の分配などを進めるとしています。

Fakhruddin氏は被災地域を訪れて感想をこう述べています。「被災地域には二度以上訪れたが、被害状況は想像を超えています。」困窮する被災者の話を伺った際には、「何千人もの人が亡くなった。死者数は徐々に増えており、負傷者の数は膨大です。」と暫定政府の高官は話していました。「行方不明者の数を把握するのは大変困難だ。一部崩壊または全壊の住宅数はおよそ90万軒と見られています。我々は被害を拡大しない対策を採ると共に、今後の自然災害の被害からも守らなければならないと考えています。」

主任によると、軍は被災地において救援および支援活動を展開し、また、民間組織や支援省庁、NGOなども協力して活動を行っているそうです。

「シドル」の被害規模は計り知れません。「シドル」はSundarban(マングローブの森)などの沿岸地域全域を破壊し、多くの動物や鳥、植物などの生態系に被害を与えており、回復不可能な状態になっています。

我々はそれぞれの力でできることを犠牲者に対して実行するだけです。例えば10,000米ドルの資金があれば次のような支援活動を行うということもできます。

支援活動1:深刻な食糧難を支援
400人(およそ100世帯)に対して1ヶ月間食料を提供できます。一日一人当たり58.33タカ。
食料メニュー
A. シチュー
B. 米と魚
C. 米とダール、野菜
D. 米と野菜

支援活動2:冬が続く中で暖かい衣服が足りません。従って、暖かい衣服を提供することが考えられます。日本の方々の使い古しの衣服で十分です。地元のマーケットでは毛布、セーター、その他の暖かい服は手に入ります。
これを次のような方法で実行できます。
1.日本からの支援に頼るならば、現物支給で受けることが考えられます。内容は何が集まるかの収集状況によります。
2.地元のマーケットで毛布やキルト製品などを購入すると、800タカ~1,000タカ程度でそれぞれを購入できるので、どれくらいの金額の毛布セットを購入するかを検討すれば良いでしょう。

支援活動3:倒壊家屋の復興。住宅を失った被災者のための低予算住宅を建設し、世帯当たり20,000タカ程度を考えます。支援物資としては波型トタン板やその他の原材料物資が考えられます。10,000米ドルの寄付が集まれば、35世帯に住居を提供することが可能です。

支援活動4:一定の期間にわたって医療支援を行うことができます。サイクロンの被災地では皮膚病が日に日に拡散しています。そこで、医薬品と共に医師のサポートを提供することが可能です。私は今年、Rotaract委員会の委員長を務めていますので、多くの医学生や若いボランティアなどに協力を求めて、1週間~2週間程度の治療および診療支援を被災地に提供するように働きかけることが可能です。

支援活動5:学校兼サイクロンシェルターを建設することができます。これによって将来的に人々をサイクロンの被害から守ることができ、結果的に何千人もの命が救われるものと思います。費用はシェルターの大きさや建設する土地によっても異なります。

本日はここまでに致します。どうか、日本の友人、家族、その他の皆様に対して私の心からの感謝の意をお伝えください。また、サイクロンの被災地を訪問してくださり、被災者の方々と時を共にしていただける方がいらっしゃいましたら、厚く歓迎を致します。

災害に苦しむこの時に、日本の皆様の救いの手による支援を受けられることに改めて感謝を申し上げる次第でございます。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

M Mohsin Ali

※この報告は、NPO法人アロアシャ・プロジェクトのホームページに掲載されているものです。

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